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岡本 芳浩; 永井 崇之; 塩飽 秀啓; 関 克巳*; 小林 博美*; 本間 将啓*; 畠山 清司*
no journal, ,
流下試験により調製した模擬ガラス試料の化学状態を、XAFSおよびイメージングXAFS分析により調べた。試験では、自然な流下に加えて、融体へのバブリング操作を行い、その有無とガスの種類の影響を調べた。XAFS分析では、クロム, マンガン, 鉄, セリウムなどを対象として、ガラス内の酸化還元状態の変化を評価した。さらに、白金族元素を対象としたイメージングXAFS分析を行い、流下およびガスバブリングによって、その分布がどう変わるかを観察した。分析の結果、ガラス中の酸化還元状態が、ガラスの組成とバブリングの有無により変化することが分かった。イメージングXAFSでは、白金族元素の凝集が、ガスバブリングによって低減されることが示された。
明石 信; 柴田 裕樹; 佐藤 匠; 林 博和
no journal, ,
マイナーアクチノイド(MA)を含む核燃料の乾式再処理技術の開発では、MA-Cd合金の挙動の理解が必要である。講演では、MAの模擬物質としてGdを用い、GdClとCdClを含む溶融塩化物において定電位電解でGdとCdを同時析出させた試料とGd金属の平衡電位の差から6種のGd-Cd金属間化合物の生成自由エネルギーを導出し、その温度依存性を評価した内容について報告する。
下山 巖; 小暮 敏博*; 奥村 大河*; 馬場 祐治; 岡本 芳浩
no journal, ,
放射性Cs汚染土壌の減容化のために新たな熱処理であるセシウムフリー鉱化法(CFM)を提案している。本研究では4種類のアルカリ塩化物試薬を添加物とし、大気及び低圧条件における800C以下の温度領域における実土壌の除染試験を行った。CaCl添加した場合は大気・低圧条件によらず放射能濃度が大幅に低減し、790Cで除染率は97%に達した。MgCl添加の場合は695Cの低圧加熱処理を3回行った場合に除染率が99%以上となった。KClとNaClを試薬とした場合も大気条件よりも低圧条件で除染率が高くなる傾向を示し、790Cの低圧加熱処理を5回行った場合、KCl添加で除染率93%、NaCl添加で除染率97%となった。また、熱処理後の生成物の構造解析により、CaClとMgClの場合はCsを固定している土壌中のbiotiteが分解するのに対して、KClとNaCl添加の場合は分解しないことがわかった。これらの結果は土壌除染に対するCFMの有効性と、Cs除去過程が塩化物の金属イオンの価数に依存していることを示している。
本田 充紀; 後藤 琢也*; 坂中 佳秀*; 下山 巖; 岡本 芳浩; 鈴木 伸一; 矢板 毅
no journal, ,
本研究では放射能汚染土壌の減容および再利用化へ向け溶融塩電気化学法によるCs除去および分離回収を行った。WB含有溶融塩(NaCl-CaCl)を用いて700C加熱中のサイクリックボルタンメトリー(CV)測定にて、-2.2Vから+0.5Vの範囲でCV測定を行い、2対の酸化還元ピークを確認した。その後、-1.4V/700Cの還元電位で2時間反応させた。WBはシリケートから構成される酸化物であるため還元電位にすることで[MO+2eM+O]反応を促進すると考えられる。WBを構成する元素は、Si, Fe, Al, Mg, Cs, K, Ti, Caであるがその中でFe, Al, Caのイオン化傾向を比較するとFe(-0.447V), Al(-1.662V), Ca(-2.76V)とCaが最も大きなイオン化傾向を示しイオン化傾向の小さい順に還元される。今回-1.4Vでの還元電位によりFeの還元反応が選択的に制御可能かを検討した。Feの価数変化についてXAFSによる局所構造解析を行った結果、3価から2価への変化を確認し、溶融塩電気化学法を用いた電解による分離・回収へ向けた可能性を示せた。今後異なる電位をもちいた反応による生成物の変化について検討する。